ケーキ屋は閉店後 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2006-12-16

[]ゆっくりと12月のあかりが灯り始め ゆっくりと12月のあかりが灯り始め - ケーキ屋は閉店後 を含むブックマーク


もうすぐ今年も終わる。終わってしまうのだなあと思う。


今年は私にとって、今までの人生で一番いろんなことがあった年だったように思う。

あたしは今すぐ目の前のベランダから飛び降りたほうがいいんじゃないかと思ったことが五回くらいあって、あの瞬間は本当に怖かった。

気持ちは奇妙に落ち着いている。スーパーにんじんを手にとって、かごに入れるかどうか迷うときと同じくらいの何気なさで、ベランダの手すりを乗り越えることの是非について、私は考え込んでいた。

結局、立ち上がって窓に歩み寄り、更にその窓を開けて、ベランダの手すりに手足をかける、その過程と労力を考えただけで、私の気持ちは挫けてしまった。

なんせあのときの私は、ベッドに横たわったままぴくりとも動けず、かといって眠りに落ちそうになるとその瞬間に胸の奥から真っ黒な不安と恐怖のかたまりがわき上がってくるので眠ることも出来ず、ただただ窓ガラスの向こうの空を眺めて過ごしていたのだから。

そういうことが、一度ならずあった。今年はそういう年だった。


電車の中。

私の顔を、周囲の人々がぎょっとした顔で覗き込むので、何が起きたのか疑問に思って頬に手をやり、そこで初めて自分が泣いているのに気付いたことがあった。

泣きやまなくちゃ、そう思っているのに、涙は決して止まらず、そのうち何もかもがどうでもよくなってしまったことが。

みんなにじろじろ見られるくらい、何の問題でもない。本当の問題というのはもっと他にあって、それは本当の本当にどうしようもなくて、それに比べればこんなのどうだっていいじゃない。

私は自分がそういうものの考え方をすることがあるのだと、初めて知った。


今年はそういう年だった。

楽しいこともたくさんあったよ。嬉しいことも、幸せなことも、たくさんたくさんあったよ。

ただまあ、今年はそういう年だった。

そのくらいのこと、あなたは判っていると思ったのにね。

ゲスト



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